(※本記事は2011年5月20日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです)
海外に行って、まず最初に口にするのは、地元料理である。これはもはやお約束である。
中国の四川省へ出張した時もそうだった。内陸部なので日本食にありつける確率は低いし、まあ、まずは本場の中国料理をいただけるのだからと、期待していた。
言葉がわからなくても、料理の注文は可能。大抵の店のメニュー表(菜単:つぁいだん)は写真付きだ。写真付きの料理はおそらくおすすめ…かどうかはさておき、写真を見ればどんな料理かはわかるので、失敗する確率も低い。まあ、最初はそう思っていた。
おいしそうに見える料理を指さし、「这个, 一个」(ちぇがー、いーがー:これ1つ)と、つたない中国語で伝える。ヘンな人と思われようが、これしか方法がないんだから仕方がない。
程なくして出てくる料理たち。ちゃんと写真通りなのはいいんだけれど…これ、なんかやばくない?
日本にも四川料理(川菜)の専門店は数多くあり、私もそういった店で何度か食事をしたことはある。だから、四川料理については知ってるつもりでいたのだが、出てきた料理はそれとは全く別物、というか、こっちが本物。
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| おいしそうな四川料理たち |
まず、匂いがすごい。南京で出会った料理とは違い、強烈な香辛料の香りを放っている。
そして、味。いくつもの香辛料が織りなす複雑な味。もちろん激辛。麻辣(まーらー)。
とどめを刺すのが、わが生涯の敵、香菜(しゃんつぁい:またの名をパクチー)である。私はこれが苦手で、タイに出張した際には結構泣かされた。
こうして、日本の中国料理が完全に日本人好みにアレンジされていることを改めて思い知らされたのであるが、それは中国も同じこと。よその国の料理を自分好みにアレンジしているので、ちょっと油断すると痛い(辛い)目に遭う。街で買ったピザパンの中、洋食店のスパゲッティやソテーの中…そこになぜか五香粉(うーしゃんふぇん)が紛れ込んでいたりする。数少ない逃げ道に、なんちゅうことを。
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| 西洋料理店で食べた料理(※四川風) |
あ、もちろんすべてが辛いわけではない。回鍋肉は調味料が違うせいか日本のものよりうまかったし、青椒肉絲も辛くはない。辛かったら泣くぞ。
ところで、四川と言えば麻婆豆腐だが、なぜかメニュー表に載っていない。もちろん、出す店もあるのだが、下町の四川料理店のメニュー表には載っていないことのほうが多いようだ。で、職場の地元民に尋ねてみたところ、「麻婆豆腐は家庭料理なので、店ではあまり出さない」ものらしい。日本で言えば、小料理屋でカレーライスを出すようなもの? ちがうな。とにかく、家で作って食べるような料理を、わざわざ店で食べる人はいないってことらしい。にわかには信じがたいが、現地人が言っているのだから、そうなのだろう。


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