2022/09/28

セスジスズメの幼虫

またまたこの日も、子供と散歩。

彼岸花が咲き誇る堤防道を歩いていると、その真ん中に10センチくらいの大きな芋虫が。

セスジスズメの幼虫
セスジスズメの幼虫

あまりにでかく、また堂々と這う芋虫。子供は興味津々で、摘んできたクローバーを置いたが、芋虫は無関心の様子。

調べてみたら、これは「セスジスズメ」というガの幼虫で、もうすぐ蛹(さなぎ)になる「終齢」を迎えた幼虫らしい。写真の左側が頭になる。見づらいが、尾に角のようなものがある。

また、サトイモなどを栽培する農家にとっては、頭の痛い害虫らしい。この時期、あちこちにあの大きな葉を揺らしたサトイモ畑を見るが、駆除とか大変なんだろうな。


2022/09/20

四川料理の洗礼

(※本記事は2011年5月20日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです)


海外に行って、まず最初に口にするのは、地元料理である。これはもはやお約束である。

中国の四川省へ出張した時もそうだった。内陸部なので日本食にありつける確率は低いし、まあ、まずは本場の中国料理をいただけるのだからと、期待していた。

言葉がわからなくても、料理の注文は可能。大抵の店のメニュー表(菜単:つぁいだん)は写真付きだ。写真付きの料理はおそらくおすすめ…かどうかはさておき、写真を見ればどんな料理かはわかるので、失敗する確率も低い。まあ、最初はそう思っていた。

おいしそうに見える料理を指さし、「这个, 一个」(ちぇがー、いーがー:これ1つ)と、つたない中国語で伝える。ヘンな人と思われようが、これしか方法がないんだから仕方がない。

程なくして出てくる料理たち。ちゃんと写真通りなのはいいんだけれど…これ、なんかやばくない?

日本にも四川料理(川菜)の専門店は数多くあり、私もそういった店で何度か食事をしたことはある。だから、四川料理については知ってるつもりでいたのだが、出てきた料理はそれとは全く別物、というか、こっちが本物。

数々の四川料理が並んだテーブル
おいしそうな四川料理たち

まず、匂いがすごい。南京で出会った料理とは違い、強烈な香辛料の香りを放っている。

そして、味。いくつもの香辛料が織りなす複雑な味。もちろん激辛。麻辣(まーらー)。

とどめを刺すのが、わが生涯の敵、香菜(しゃんつぁい:またの名をパクチー)である。私はこれが苦手で、タイに出張した際には結構泣かされた。

こうして、日本の中国料理が完全に日本人好みにアレンジされていることを改めて思い知らされたのであるが、それは中国も同じこと。よその国の料理を自分好みにアレンジしているので、ちょっと油断すると痛い(辛い)目に遭う。街で買ったピザパンの中、洋食店のスパゲッティやソテーの中…そこになぜか五香粉(うーしゃんふぇん)が紛れ込んでいたりする。数少ない逃げ道に、なんちゅうことを。

西洋料理(ホワイトソース掛け、四川風)
西洋料理店で食べた料理(※四川風)

あ、もちろんすべてが辛いわけではない。回鍋肉は調味料が違うせいか日本のものよりうまかったし、青椒肉絲も辛くはない。辛かったら泣くぞ。

ところで、四川と言えば麻婆豆腐だが、なぜかメニュー表に載っていない。もちろん、出す店もあるのだが、下町の四川料理店のメニュー表には載っていないことのほうが多いようだ。で、職場の地元民に尋ねてみたところ、「麻婆豆腐は家庭料理なので、店ではあまり出さない」ものらしい。日本で言えば、小料理屋でカレーライスを出すようなもの? ちがうな。とにかく、家で作って食べるような料理を、わざわざ店で食べる人はいないってことらしい。にわかには信じがたいが、現地人が言っているのだから、そうなのだろう。

不意打ちの英語

(※本記事は2012年2月6日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです)


コンビニでレジ待ちをしていたときのこと。

私の前の客が外国人で、店員に英語で注文を始めた。

蒸し器に入っている肉まんを指差し「これを1つください」と言ったようだが、その女性店員は聞き取れなかったのか、「これですか?」と日本語で聞き返した。客の方は日本語がほとんど話せないようで、やはり英語で返した。

「ただいまお弁当を温めていますので、そちらでお待ちください」

と、右手で示すも、客は「そっちを見ろ」と言われたと勘違いし、指示通り左を見た。しかし、そこには見て楽しくなるようなものは何もなく、すぐ店員の方へ首を戻した。

パニックである。とにかくこの場をやり過ごそうと、手早くレジ袋に箸を入れて渡そうとしたが、客は、

"No, not need Hashi, I have mine."(箸はいりません。自分のを持っているので。)

と、「箸」だけを日本語で言うと、それを袋から取り出して返した。店員は、なぜ返されたのか分からない様子。

結局、この店員は「ありがとうございます」も言えずじまい。


これを笑うことはできない。


私は、なぜか他人に話しかけられることが多く、道端でもよく道を尋ねられる。

海外滞在中も、よく観光客に道を尋ねられたりしたのだが、あれは結構困る。道なんて知らないんだから、答えようがない。その時は、常套句 "I am a stranger here, sorry."(不案内です)を返すだけだ。

でも、海外ならまだいい。そういう体勢が整っているので、英語で来られてもなんとかなる。

本当に困るのは、日本で外国人に話しかけられる場合だ。

"Excuse me, would you tell me where the bank is?"(すみません、銀行はどこですか?)

などと、中学校レベルの英語で尋ねられたが、とっさには聞き取れなかった。たまたま横に、海外に住んでいた同僚がいて、そつなく対応してくれたのだが、私一人だったらどうなっていたか。

目の前で起きたのは、そんなやりとり。本当に笑えない。


白い彼岸花

この日も、子供と散歩。

少々秋風を感じるこの季節。田んぼの畦や川の法面(のりめん)を、赤い彼岸花が彩り始める。

彼岸花
彼岸花

その中に、1本だけ白い彼岸花が混じっていた。これまで見たことがなかったので、変異種かと思い、写真を撮った。

シロバナマンジュシャゲ
シロバナマンジュシャゲ

自宅に戻り、本棚から「季節の花図鑑」(鈴木路子 監修/日本文芸社)を取り出して調べたところ、「シロバナマンジュシャゲ」という花であることがわかった。

ほほう、彼岸花にも白があるんだなとうなずいていたら、「リコリス」という黄色やだいだい色の種もあることが判明。なんだか実物を見たくなったぞ。


ところで、その図鑑には花言葉も添えられており、彼岸花は「蘇る思い出」、リコリスは「感傷に浸る」と書かれていた。なるほど、彼岸らしい言葉だ。


青椒肉絲っぽいもの

コストコで買ってきたジャガイモが、使いきれない。あの例のカルビーのやつだ。

そんなわけで、さっさと消費すべく、ジャガイモのガレットやら肉じゃがやらフライドポテトやらを作ったのだが、今回はそのうちの1つ、「青椒肉絲っぽいもの」を紹介しよう。

何が「っぽいもの」なのかは、材料を見ていただければわかると思う。あえて正確に書くなら「青椒土豆萝卜鸡肉丝(ちんじゃおとぅどーろーぼーじぃろーすー)」だろうか。

■材料(3~4人分)

◆具材

  • 鶏(もも肉):小さめ1枚(200gくらい)
  • ジャガイモ:2個(300~400gくらい)
  • 人参:小さめ1本(大きい場合は半分)
  • ピーマン:3個

◆調味料

  • 片栗粉:大さじ1

◆味付け

  • 市販の青椒肉絲の素(好みのもの):1箱、3~4人前

■作り方

  1. 鶏もも肉から脂身をはがし、肉厚の部分を開いて、5ミリくらいの幅に切り、片栗粉をまぶしておく。
  2. ジャガイモ、人参、ピーマンを細切りにする。
  3. フライパンでサラダ油大さじ1(分量外)を熱し、野菜を炒め、ジャガイモに軽く焼き色が付いたところで一旦皿に出す。
  4. 油を少々足し、鶏もも肉を炒める。
  5. 皿に出した野菜をフライパンに戻して混ぜ合わせる。
  6. 一旦火を止めて、市販の青椒肉絲の素を入れる。
  7. 再度加熱し、混ぜ合わせる。

青椒肉絲っぽいものを炒めているところ
ジャガイモだらけの青椒肉絲っぽいもの

4以降は、市販の青椒肉絲の素に書かれている調理方法に従ったほうがよいと思われる。 


餃子

水餃子のレシピを紹介した際、「余った餃子を使って水餃子を作る~」と書いたが、今回はその餃子のレシピを。

市販の標準サイズの皮で70~80個程度作れるが、入れる餡の量によって変わるので、あくまで目安というこで。

■材料(70個くらい、皮を除く)

◆餡

  • 豚ひき肉:300gくらい
  • キャベツ:300gくらい
  • 白菜:1枚分(4分の1カットなら2枚)
  • ニラ:3本くらい

◆調味料

  • ニンニク(チューブ入り):6~7cmくらい
  • しょうが(チューブ入り):13~14cmくらい
  • 醤油:大さじ2
  • ごま油:小さじ2
  • 酒:小さじ2
  • 砂糖:小さじ1
  • 片栗粉:小さじ2
  • 塩:小さじ1
  • こしょう:少々

■作り方

  1. 野菜をすべてみじん切りにする。余分な水分が出たら捨てる。
  2. 大き目のボウルに豚ひき肉を入れ、軽くほぐす。
  3. 調味料を加え、よく練る。
  4. みじん切りにした野菜を入れて、よく混ぜ合わせる。
  5. 冷蔵庫で1時間ほど寝かす。
  6. 皮で包む。
  7. 焼く。

餃子の餡を作っている写真
野菜を混ぜ合わせているところ(手袋必須)

皮で包んだ餡をバットに並べた写真
皮で包んだところ


うちでは、ホットプレートで焼きながら食べる。油をうすく引き、5ミリほど間隔をあけて並べ、軽く焦げ目が付いたところで水を回し入れ、蓋をして蒸し焼きにする。焼き音が小さくなったら、蓋を取って出来上がり。


2022/09/15

IVPを受けた

(※本記事は2012年2月1日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです)


私は腎臓に持病がある。ただし、重病というわけではなく、現在は経過観察中。幸い、年に2回検査を受ける程度で済んでいる。

検査の種類は、おなじみの尿検査に加え、KUB、腎エコーと、このIVPだ。3つを一度に受けるわけではなく、それぞれをローテーションして受けている。

KUBは、日本語で腹部単純X線撮影といい、その名のとおり、ただ普通に腹部のX線撮影を行うもの。Kは腎臓(Kidney)、Uは尿管(Ureter)、Bは膀胱(Bladder)を指す。

腎エコーは、胎児の様子を確認するため妊婦が受けるものと同じだが、部位が違う。産婦人科では仰臥または横臥だが、泌尿器科では伏臥で受ける。腎臓が背中のほうにあるからだ。

で、IVPだ。これは、経静脈性腎盂造影(けいじょうみゃくせいじんうぞうえい:IntraVenous Pyelography)という早口言葉みたいな名前の検査で、静脈から造影剤を注入し、時間を置いて4回ほどX線撮影を行う(5回の場合もある)。内訳は、注入前に仰臥で1回、注入5分後と10分後のそれぞれ1回、そして最後に、立位で1回だ。

これにより、造影剤が腎臓で濾されて膀胱に溜まるまでのスナップショットみたいなものが撮れる。造影剤が通った場所は白く写るので、臓器の形状はもちろん、結石の有無や排泄機能の状態もわかる。

それでも、素人の私にはどこに腎臓が写っているのかさえわからない。医師に「ここ」と示されてはじめて、「ああ、これね」とわかる。骨みたいにはっきりと映るわけではないのだ。

ちなみにこの検査で注入される造影剤(オムニパーク300という、ヨードを含むもの)だが、一旦肺を経由するせいか、吐く息に混じるため、酒を飲んだような錯覚に陥る。体全体もちょっと火照ったような感じになる(副作用ではないと思われる)。もっとも、脳は普通なので、ほろ酔い気分とまではいかない。というか、もし気分がおかしくなったら、それはそれで問題で、すぐ検査技師に告げるべきだ。

という感じの、ちょっと面倒くさい検査なのだが、こっちは何十回と経験しているので、慣れたもの。

でも、やっぱり面倒くさいのだが、転ばぬ先の杖は、多い方がいい。


親知らずを抜いた

(※本記事は2011年11月6日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです)


訳あって、親知らずを抜いてもらった。

2泊3日で、3本も。


訳、というのは、物を噛む用をなしていない上、虫歯がかなり進行しており、周りの健康な歯に悪影響があるため。

さらに私の場合、上顎洞(じょうがくどう)…上の顎骨のさらに上にある空洞…が広いらしく、下手に抜くと口と鼻がつながってしまう恐れ(「交通する」と言うらしい)があるとかで、町医者に紹介状を書いてもらい、大きな病院へ行くことになった。

その病院で知ったのが、入院抜歯という方法だった。

1本ずつ外来で抜く場合、負担は軽い反面、全部抜くとなるとそれなりの期間が必要で、なにより4回も抜歯を行う(痛い目にあう)ことになる。

入院して抜けば、負担は大きいが、抜歯は1回で済む。といっても、1回にかかる時間も苦痛も4倍だけど。

それに、入院の場合は抜歯前後のケアもついてくる。人によっては煩わしいかもしれないが、抜歯前の体調チェック、鎮痛剤の事前投与、抜歯後の抗生物質の投与に加え、入院中は食事や体調の管理もしてくれるので、安心である。

おまけに、そんなに痛くない。これは不思議で、親知らずを抜いた経験のある人に話を聞いたら、みな口をそろえて「痛かった」と返してきたのだが、実際、全くと言っていいほど痛みはなかった。どちらかと言えば、2時間以上も口を開けっ放しにしていたことの方が苦痛だった。

抜歯は、外来で行った。手術室ではない。おなじみのあの治療台が1つだけ設置された個室があり、そこで行ったのだ。室内にはBGMとしてピアノ曲が流れていた。

左手には点滴とパルスオキシメーター(爪の色で血中酸素濃度をチェックする、洗濯バサミみたいな小さな装置)、右手には血圧計(5分に1回作動)、両鎖骨の下と左わき腹に心電図や脈拍をモニタするコードをくっつけられ、抜歯開始。

局部麻酔を施し(実際、これの方が抜歯より痛かった)、必要に応じて歯を削りながら、1本、また1本と、抜歯してゆく。

ミシミシという耳障りな断末魔を上げながら抜けた歯は、写真や模型でみるような立派な歯根がついており、「ああ、抜いちゃったんだな」という実感を与えてくれた。

「いりますか?」と言われたが、虫歯菌に侵されたそれを記念にとっておく気にはなれず、処分してもらった。

抜歯後、1時間ほどガーゼを噛み続けて止血。その後、遅い昼食。といっても、通常食ではなく、粥と、細かく刻まれたおかず。教えてくれなければそれが何なのかわからないほど、原型をとどめていないおかずである。退院する次の日の朝まで、こんな食事が続いた。

そしてその朝食後、医師による診察で退院許可が下りた。


ちなみに、親知らずは医学用語では「智歯」というらしい。病名の欄にそう書かれていた。

2022/09/12

光を勧める人々

(※本記事は2013年6月2日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです)


外付けのハードディスクが壊れたのである。

使わなくなったデスクトップPCのハードディスクを再利用しようと、USB3.0接続に変換できるケースに収め、ノートPCにつないで使用していたのだが、突然、どこかで聞いたあの「カタン、カタン」といういやな音がしだして、ついにはアクセス不能となってしまった。

で。

近くにある家電量販店に行き、PCパーツコーナーのガラスケースに陳列されたハードディスクから目当てのものを選びだした。

さて、ケースには鍵がかかっている。取り出すには店員を呼ばなければならない。

この家電量販店、店舗によってハードディスクの陳列方法が異なり、ある店舗では戸が外されていて客が自由に取り出せるようになっているし、また別の店舗ではケースにさえ入れられずワゴンに乗せられていたりする。

店員を呼ぶと、

「只今、ご用意しますので、あちらでお待ちください。ご案内します。」

と言われた。普段は鍵を開けて、目当ての商品を取り出してくれるのだが。

そして、案内されたのが、レジではなく、各種契約を行うカウンター。はて?

席に着くと、

「アンケートにお答えください」

と、A4大の用紙とボールペンを残して、どこかへ消えてしまった。

仕方ないので、アンケートに記入する私。

おやおや…。

アンケートという形式をとってはいるが、これは客に商品を紹介するための道具。最近よくあるやつである。

「○○の導入を検討されていますか?」

この「○○」には、商品名が書かれている。これも最近よく耳にする商品である。

その中に、現在使用しているインターネット回線に関する質問(もはやアンケートではない)もあり、私は正直に「ケーブルTV」にチェックした。そうしたらこの店員、商品を持って戻ってくるなり、すかさず、最近TVCMでうるさいほど見聞きする「光」の導入を勧めてきた。

私は、この「光」の勧誘に辟易(へきえき)している。この店員にも説明したが、この光プロバイダー各社の営業が入れ替わり立ち替わり自宅にやってきては「光」の導入を勧めてくるのが、春先の風物詩となっているのだ。

もちろん、そのたびにただ断ってるわけではない。ちゃんと見積もりも取らせている。それで判ったことだが、今利用しているケーブルTVと料金はほとんど変わらないのである。少なくともうちの場合では、TVCMで言っているほど安くはならない。そのためにいちいち工事に立ち会うなんて考えられない。

「光の方が速いですよ」とささやくが、実際、そんな回線速度は全く必要ない。こんなところに引き合いに出して申し訳ないが、例えばYouTubeなんか100Mbpsもなくたって快適に視聴できるのである。うちの家庭に100Mbpsなんて必要ないのである。いわんやギガビットをや。そんなものは家庭内LANで十分である。世界とギガビットでつながって何が楽しいんだよ(※)。しかし営業マンたちは、とにかく「速いですよ」を連呼するのである。

営業というのは、技術的なことに関しては疎いようで、そういった質問を投げかけると、適当なことを返してくるので面白い。

「でも、おたくって、回線が安定しないじゃないですか」

などと、体験したことなどないはずのでまかせを言ってみると、

「そうですね」

だって。おいおい、TVCMで言ってること否定しちゃっていいのか、なんて、他人事(ひとごと)ながら心配しちゃったり。

「テレビだけをケーブルにして、ネットを光にする方も多いです」

日本人が弱い「他の方もそうされてますよ」作戦である。しかし、これは一般論。ケーブルテレビには「専門チャンネル」という、視聴者の好みに合わせた番組を提供するというサービス(もちろん有料)があり、そうそう簡単に割り切れるものではないのである。

そうしたら次の年、その光プロバイダがテレビ放送を提供するサービスを始め、それを武器に別の営業がうちへ乗り込んできた。NHKと民放が見られるんですよと、得意げだ。しかし、専門チャンネルについて突っ込んでみると、

「そういった番組は、順次対応していく予定です」

つまり、それまで我慢しろってことかしら? ありえないよね。というか、同じ番組を提供してくれる保証は?

もう、なんというか、うん、そんな感じ。

表立って言えないような利害関係があるのかどうか知らないけれど(いや、知ってるけどね)、もういい加減、顧客の立場を無視したビジネスはやめていただきたい、そう思うのである。というか、もう来ないでほしい。必要になったらこっちから呼ぶから。


あ、そうそう。買ってきたハードディスクは元気よく動作している。


※:現在は世界とギガビットでつながっている。楽しい。


ヤブサカデハナイ

(※本記事は2013年4月22日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです)


友人からのメールに、こんな文章が書かれていたのである。

「みなさんと行くのも、やぶさかではありません」

新聞などの報道ならともかく、日常的なやり取りの中でこの表現に出くわした私は、正直言って違和感を覚えてしまった。というのも、この「やぶさかではない」という表現は、政治家とかの「そっち系」の人が好んで使うものだと思っていたからだ。

なぜ好まれるかは知らないが、推測はできる。

辞書的な意味であれば、これは「喜んでしますよ」「努力を惜しむつもりはありませんよ」ということになる。

「みなさんと行くなら喜んで」

しかし、もともとは「やぶさか」+「ではない」である。

「~ではない」という言い方をするとき、心のどこかで「~である」ことを暗に含めていたり、期待していたりしないだろうか。「彼もばかではない」(まあ、いくらかばかなところはあるけど、さすがにこの場合はね)とか、「ただごとではない」(ただごとだったらいいのに)とか。

この「やぶさか」は、ためらいや物惜しみ(けち)を表現する言葉である。とすると、「やぶさか」である心理状態が前提になっているからこういう言い回しをしたと考えると、つまりはこう言っていることになる。

「みなさんと行くのは気が進まないけど、どうしてもってことなら仕方ないわな」

前者の解釈が「建前」、後者の解釈が「本音」だろう。

そんなわけで、先の友人のメールに違和感を覚えずにはいられないのだった。

なぜ「喜んで」と素直に書いてよこさなかったのだろうか。それとも、単に考えすぎているだけだろうか。


迷惑な警備員

 (※本記事は2013年3月3日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです)


それは、ある冬の夕暮れのこと。

電車を降り、改札を抜け、駅を出た私は、自宅近くを通る路線バスに乗り込み、席に着いて、窓から外を眺めた。

雪が降っていた。

明かりが点りはじめた街灯、それに照らされ、夕闇の中で時折白く光った。

この日は私の誕生日。家族と外食の予定だった。

降雪のイメージ画像

程なくして、バスが動き始めた。ロータリーをゆっくりと周り、公道へ…。

おや?

その公道への出口に、某大手警備会社のバンが駐車されていた。

この駅のロータリーは一方通行。つまり、出口は車1台分の幅しかない。バスはそのバンと路肩の間を器用にすり抜けようと、さらにゆっくりと進んだ。しかし、バスがそこをすり抜けることはできなかった。どうやってもバンと接触してしまうことが判り、運転手はそこでサイドブレーキを引いて、無線を手にした。


ここからが大変だった。

ロータリーへは次々と自家用車やタクシーが進入してきた。そりゃそうだ。帰宅ラッシュの折、それも雪が降っていた。迎えに来る車も多くなるし、タクシーの利用客も普段より多いのだ。

ものの5分もしないうちに、駅前は大混乱に陥っていった。

タクシーの運転手たちが、バスの運転手に詰め寄った。

「なにやってんだ! さっさと出ろ!」

「無理に出ると、バンをこすっちゃうんですよ」

「まったく面倒なところに駐車しやがって」

そんなやり取りが続いた。

やがて、短気なタクシー運転手の一人が、警察に通報した。

「今、○○警備の車がね…」

その間にも、車はどんどん駅に集まり、パニック状態に。

私はそんな状況を、バスの中から眺めていた。

「こりゃ、帰るの、遅れるな」

そんなことを思いながらぼんやりとしていると、渦中の警備会社の人間が二人、帰ってきた。

二人とも、驚きを隠せない様子だった。何も驚くことはない。当然の結果であろう。

思ったとおり、タクシー運転手たちが二人に詰め寄った。言葉による袋叩きが始まった。

「すぐ移動させますから」

そう言って車に乗り込もうとする警備員。しかし、タクシー運転手たちの怒りは収まらない。

「逃げるなよ!」

「警察が来るまで帰さんからな!」

やっとバンが移動し、出口が確保された。バスはなんとか無事に駅を出発した。


その後、警備員たちがどうなったのかは判らない。


さて、私はこの話を持ち出すことで、違法駐車はやめようとか、そんなことを訴える気はさらさらない。

あの某大手警備会社の警備員たちが警官に絞られる画を見逃したことを、ただただ惜しく思っている、それだけだ。


ちなみに、私の誕生日会は、つつがなく終了した。


松茸を買いに

(※本記事は2012年12月5日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです)


それは10月のある日曜日の昼下がり。

突如、松茸を買いに行こうと思い立ち、愛知県瀬戸市の某所まで車を走らせた。そこは、良質の国産松茸を格安で購入できるところ。今年もかなり期待して向かった。

しかし。

駐車場に車を停め、店を眺めたが、松茸らしきものは全く見えず。あるのは自然薯や柿など。

そこの店主らしきおじさんに声をかけてみた。

「もう松茸は終わっちゃった?」

すると、想定外の答えが。

「前、ここで店をやってた人が亡くなったんですよ」

このおじさんは、その場所を引き継いで店を開いているという。そんな事情に耳を傾けていたら、

「そうだ、お兄さんが瑞浪で店をやってるから、連絡取ってみましょうか」

と、いきなり携帯電話に手をかけた。

ちょっと迷った。岐阜県瑞浪市である。もう昼の3時をとっくに過ぎている。そんな私の心の中を見透かしたように、

「こっちの方にも出張して売りに来ているみたいだから」

と背中を押すような言葉を加えた。結局、電話をかけてもらうことに。


前の店主のお兄さん(も、おじさん)は、弟が世話になった旨、とても丁寧に礼をおっしゃった後、明日の昼間ならご自宅まで松茸を配達しますよと持ちかけてきた。しかし、平日の昼間は約束できないので、今から行くと伝えた。すると、

「明世牧場にいますから。インターを出て左に曲がると幟(のぼり)があるのでそれを目印に来てください」

と、道順を教えてくれた。

実は、「明世牧場」は実在しない。私は、聞き間違いをしていた。

とりあえず、せと赤津ICから東海環状自動車道に入り、土岐JCTから中央道へ、そして、瑞浪ICで出た。

そして、左に曲がったが…。

牧場の幟など、見当たらなかった。

とりあえずそのまま直進し、瑞浪駅へ。そこで重大なことに気付いた。

燃料がない。

ガソリンスタンドに向かうも、どれも個人経営で、日曜は軒並み休業。松茸どころではなくなってしまった。

なんとか給油を済ませたが、その頃にはもう、日はかなり西に傾いてしまっていた。

しかし、牧場の案内などどこにもない。仕方がないので、コンビニに車を停めて「お兄さん」に電話をかけてみた。

そこでミスに気がついた。

「牧場」ではなく、「ゴルフ場」だったのである。

あったあった。ICを出て左に曲がったところに「明世カントリークラブ」と書かれた小さい案内看板が。入り口で待ってくれているとのことで、遅くなったことを詫びて電話を切ると、すぐに向かった。

瑞浪ICに向かうランプをくぐり、市民公園を抜け、トンネルをくぐり、突き当りを右に曲がり、「え、ここ?」というような脇道に入り(ゴルフ場というのは往々にしてこういう場所にある)、ゴルフ場に到着。

確かに、お兄さんは入り口で待っていた。

クラブハウス内の場所を借りて商売しているらしく、そこには栗や柿といった秋の味覚に囲まれ、籠に入れられた松茸が鎮座していた。といっても、もう夕方である。ほとんどは売れてしまい、数えるほどしか残っていなかった。すると、

「売れるといけないと思って、いいのを取っておいたんです」

と、お兄さんは奥から松茸の入った2つの籠を取り出した。

「これは国産で2万円ですけど、弟がお世話になったから、1万円にまけておきます。どちらかお選びください」

年に1度しかお目にかかれないものである。300グラム入りのそれを1つ手に取り、香りや張りを確かめる私。まあ、そんなことをしたって、良いか悪いかなんてわかりっこないんだけどね。

「これもどうぞ」

と、栗や柿を1袋ずつおまけしてくれたお兄さん。松茸の値段なんてあってないようなものだということくらいわかってはいるが、ここまでサービスしてくれると気分がいい半面、申し訳なくなってくる。

そんなこんなで、松茸を手に入れることができたのである。

松茸の写真


発音を書く

(※本記事は2012年7月11日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです)


外国語の発音を表記するときに、ひらがなやカタカナを使う場合が多いが、これで正しく伝えることは難しい。

外語辞書などは、発音記号に添えてカタカナの読みが書かれている場合がある。あれは、巻末などに発音表記に関する解説があるのでまだいい。例えばフランス語の辞書で merci(ありがとう)に「メルスィ」という読み方が書かれていても、その表記どおりに発音してはいけないことは、その解説を読めばわかる。『便宜的に「ル」って書くけど、実際の発音は日本語の「る」や英語の "r" とは全く違うよ』という取り決めがあるのだ。

こういった取り決めがない状態でうかつに読みを書くと、大抵間違って伝わる。

私も、中国語の読みをひらがなで書いたりしているが、実際は表記どおりに発音していない。

例えば、「何」の読みは「ほぁ」と書いているが、表記どおりに、カンフー映画よろしく「ほぁ」などとは発音しない。実際は「へ」+「あ」+「う」みたいな音に聞こえる。

タイへ行ったときもそうだった。

飛行機の中でタイ語の勉強をしたのだが、そのときに使っていた教材、といっても、日本語が話せるタイ人が作ったホームページで見つけた会話集だったのだが、その教材にも英字綴りに添えてカタカナの読みが書かれていた。タイ人が書いたのだから間違いないだろうと思ったら、実際は違っていたのだ。

タイ語には、日本語の「~です」に相当する "krap"(※教材の表記のまま、以下同じ)という単語があり、これを文末につけると丁寧というか、敬意の含まれた表現になる。"kop khun krap"(ありがとうございます)のような感じだ。ちなみに、これは男の場合で、女は "kha" である。

この "krap" に、例の教材は「クラップ」という読みを併記していた。だから、てっきり「クラップ」と発音するんだと思っていたのだが、現地人から、

「ちがうちがう、それは『カップ』と発音するんだ」

と指摘されてしまった。

私も、今「カップ」と書いてしまったが、実際は「カップ」ですらない。そう聞こえるということ。ちょっと難しい発音だ。

一方で、こう発音すれば通じるよ、みたいなものもある。

有名なのは「斉藤寝具」だろうか。入国管理局で入国の目的を聞かれたときに言えば、"Sightseeing."(観光です)と伝わるらしい。

他にも、「わら」(water: 水)とか、「掘った芋いじっとんな」(What time is it now?: 今、何時ですか?)とか。一昔前に流行った「空耳」の世界だ。

しかし、上に挙げたような「何」とかは、日本語に相当する発音がないので表記が難しい。だから、このブログで書かれているひらがなやカタカナの読みは、そのまま使わないでほしい。たぶん、間違っているから。


夏至+10=半夏生

(※本記事は2012年7月1日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです)


「半夏生」という言葉をどこかで見たことがある。確か、漢字ではなくひらがなで「はんげしょう」だった気がする。

新聞の折り込みチラシに、蛸(たこ)の特売が載っていたのだが、そこに大きな文字で「半夏生」と書かれていたのである。

はて?

ちょっと調べてみたところ、よく知られている「二十四節季(にじゅうしせっき)」とは別に、「七十二候(しちじゅうにこう)」というものがあるらしい。起源は中国とのこと。

二十四節季は1年を24等分した約15日、天文学的に言えば黄経360度を24等分した15度ごとに割り振った季節の区分だが、七十二候はその1つをさらに三候に等分、つまり約5日(黄経5度)ごとに分割したもの。

「半夏生」は、夏至から10日目(年によっては11日目)あたり、黄経100度の日のこと。夏至は春分(黄経0度)から数えて6つ先…清明(15度)、穀雨(30度)、立夏(45度)、小満(60度)、芒種(75度)、夏至(90度)になるので、それに10を足してちょうど100度。農家では、この日までに田植えを終えるそうである。

ちなみに、間(95度)には「蜩始鳴(ちょうしめい、せみはじめてなく)」という、セミが鳴き始める時期を示すものがあるのだが、もとは中国の区分なので、日本とはちょっとずれているようである。

で、なぜ「半夏生」に蛸なのか。同じ雑節と呼ばれるものに「土用」があり、夏は鰻を食べることになっているが、どうやら関西のほうでは「半夏生」に蛸を食べることになっているらしいのである。

なっているのなら仕方ない。ということで、半夏生のこの日、我が家の夕飯で蛸の酢の物が振舞われた。でも理由は不明。こうやって、風習は形骸化していくのだろうか、なんて。


そうそう、私が記憶していた「はんげしょう」だが、おそらく草花の名前ではないかと推測。この日に同名のドクダミ科の草が生えるらしい。


マニュアルどおり

(※本記事は2011年9月4日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです)


私は昼食をとるため、別のプロジェクトに参画している人と一緒に、会社の近くにできたパン屋に入った。

そこは、他のパン屋と同様、トレイに好みの商品を取り、レジで会計を済ませるというシステムだ。当然、店内で食べる(イートイン)もよし、持ち帰る(テイクアウト)もよし。違っていたのは、そのレジが「イートイン」と「テイクアウト」とで分けられていたこと。

その日、なぜかテイクアウト用のレジには客が一人もおらず、イートイン用のレジに長い列ができていた。

彼は、自分の食べたいパンをトングでつかみ、トレイに取ると、何のためらいもなくテイクアウト用のレジに向かった。

「お持ち帰りですね」

にこやかな表情でマニュアル通りに対応する彼女に、しかし彼はこう言ったのである。

「いえ、ここで食べます」


この後、何が起こったのか、そんなことをつぶさに書くつもりもなければ、これについて議論するつもりもない。ただ、結果だけを書かせてもらえば、彼女の対応に怒った彼が、商品を載せたトレイをレジに置いて帰ってしまった。


そしてその1ヶ月後、この店は閉店した。


このことから、何か教訓めいたことを見出そうとするならば、それは間違いだ。

なぜなら、店員はマニュアル通りに対応しただけだし、客である彼はその対応について抱いた不満を素直にぶつけただけのことだから。


はて、結局、彼はこの日の昼、何を食べたんだっけ。


可笑しい

(※本記事は2011年8月31日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです)


日本語をマスターしかけの、つまり、日常会話がなんとかこなせるレベルに達した外国人は、なぜ、ああも漢字を使いたがるのだろうか。

「資料に纏めました」

「如何でしょうか」

「此処に記述しております」

「誠に有難う御座います」

なんだか、古風な文学作品を読んでいるような趣があり、かえってこちらが気後れしてしまう。


「テスト結果が可笑しい」

これを見たときは、本当に可笑(おか)しかった。この人は、テスト結果を見て思わず口元が緩んだのだろうか、あるいは首を傾げずにはいられなかったのだろうか、どっちなのかよくわからなかった。

「ロボットの動作が可笑しい」

こう書かれたら、いよいよわからない。なんでも漢字で書くのも考えものである。


また、ちょっと難しい(かっこいい?)表現を知ると、すぐ使いたくなってしまうのも、彼らの特徴である。

「20日までにご回答いただければ幸いです」

「早速のご回答、ありがとうございます」

「ご多忙中のところ大変恐縮ではありますが」

などと書こうものなら、次のメールから早速使われてしまうのだが、ちょっと間違ってしまうのも、彼らの特徴である。

「送付申し上げていただいていた資料をご確認させていただきます」

ここまでくると、間違いを指摘したい衝動に駆られてしまうが、このままのほうが可笑しいので、あえて放っておく私。


ヤママユ

愛知県豊田市の鞍ヶ池公園の東に、鞍ヶ池ハイウェイオアシスがある。

鞍ヶ池ハイウェイオアシスから鞍ヶ池公園を望む
展望台からの眺め。中央に見える鞍ヶ池から手前と右手が鞍ヶ池公園。

展望台、コンビニと、レストランを併設したちょっとしたショップがある程度の、小さなパーキングエリア。

そこのコンビニに、珍客を発見した。

ヤママユの写真(メス)
ヤママユ(たぶんメス)

調べてみたら、「ヤママユ」というらしい。ちょうど今くらいの時期(8~9月)に羽化するそうだ。手のひらくらいの大きさがあり、見つけるとその存在感に驚くが、色が地味なせいか、大抵の人は気づくことなく通り過ぎていった。


2022/09/09

レタス1個分の食物繊維

 (※本記事は2011年6月15日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです)


とかく人は、ある物の程度を別の物に換算したがる。

レタスの個数で換算するものといえば、食物繊維である。しかし、そもそもレタス1個分の食物繊維って、どれくらいなのか。

手元にある「五訂食品成分表」(女子栄養大学出版部)によると、レタス100g(結球葉、生)あたりの食物繊維は、1.1g だそうだ。Mサイズがおよそ500gとすると、1個あたり5.5gということになる。

と、ここまで調べたところで、気づいてしまうのである。

「レタスの食物繊維は、思ったほど多くない」

野菜に限っていえば、レタスは下から数えたほうが早いくらい、可食部100gあたりの食物繊維が少ない。レタスより少ない野菜を探すのが大変なくらいだ。やっと見つけたのが、トマト(同 0.7g)である。

こんなものと比較してるのか、健康食品会社は。

そういえば、レモンもそうだ。やたらと酸っぱいくせにビタミンCの含有量が少ないこの果物に、皆が換算したがる。いまだかつて、ブロッコリーや赤ピーマンに換算した例を見たことがない。

さて、レタスの食物繊維の少なさはわかったので、逆に多いのを探してみようとページを繰ったところ、とんでもないものを見つけたのである。

- とうがらし(果実、乾):46.4g

どうだ、この量。「レタス20個分の食物繊維がぎっしり」とか言ってる健康食品も、この「とうがらし」の力を借りればこうなる。

「とうがらし240本分の食物繊維がぎっしり」

食えるか、そんなに。


グラッパ

(※本記事は2011年6月30日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです)


前回もそうだったが、今回もこれを口にする機会(いや、むしろ羽目?)があった。

グラッパというのは、イタリア特産の食後酒である。なんだそれはという方が大半だと思われ、また、インターネットで検索すれば山ほど情報は手に入るのだろうが、あえてここで説明させていただく。

ワインを作るのに必要なのは、もちろん「ぶどう」である。今ではこれを機械で搾(しぼ)るのだろうが、昔はぶどうをいっぱい入れられた樽の中に女性が素足で入り、踏み潰して搾っていたらしい。そうやって搾り出されたぶどうジュースを醸造したのがワインだが、搾られた後の残りカス、皮、果肉、茎などを捨ててしまうのはもったいない。なら、これを醗酵させて酒を造ろうじゃないか、というノリだったかどうかは知らないが、そうやってできたのが、グラッパである。

中国で飲んだグラッパ(左)とワイン
中国で飲んだグラッパ(左)

このグラッパ、日本では手に入りにくく、また食前酒ほどポピュラーでもなく、イタリア料理店でもあまり見かけないためか、日本人に対する知名度は低い(と思う)。そんなグラッパに成都で出会えるとは「光栄の至り」であった。

グラッパ(日本で入手)
日本で入手したグラッパ

ワインほど複雑ではないが、ブランデーほどシンプルではない香りを持つ(と、私は感じる)その酒は、中国の「白酒(ばいじう、ばいちゅう)」に似ている。白酒は「フレーバー付き日本酒」と形容したい酒で - もちろん、豆とかいろいろな穀物が原料となっているので、日本酒とは全くの別物なのだが - グラッパとはいい勝負である。いずれも40度は下らない、無色透明の代物(褐色のものもある)。地元民にして「イタリアの白酒」と言わしめているのも宣(むべ)なるかな、である。

先に触れたとおり、これは食後酒である(本場では、エスプレッソに入れるなどするそうだが)。ショットグラスくらいの小さなグラスに注ぎ、シメにちょっと呷(あお)るくらいがよいのだろうが、なぜがこの時は、これを何杯も呷ったのである。

ただし、原料がぶどうだけだからだろうか、悪酔いすることはなく、水を一杯飲んで寝れば、翌朝にはすっかり抜けてしまった。


骨付きの理由

(※本記事は2011年6月28日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです)


確かに、中国で地元の料理を食べるときは、いつも気になっていた。

なぜ、肉を骨付きで出すのか、が。

中国では、様々な鳥獣肉を口にすることができる。私がこれまでに口にしたのは、牛、豚、鶏、アヒル、ウサギ、そしてカエルだ。しかも、後者の2つは「だまし討ち」だった。

回鍋肉や青椒肉絲などはないにしても、普通の地元の炒め物とかになると、これらの肉にはほとんどの場合に骨が付いてくる。骨ごとそのまま砕いた感じであり、面倒だからそうしているのか、骨ごとのほうがうまみとかが出るからなのか、よくわからなかった。「まあ、こういうもんだよね」といった感じで受け入れていた。でも、食べるほうは結構面倒だ。

Country Style Cooking で食べた料理
Country Style Cooking(乡村基) という店で食べた料理。辛くて美味。

これについて、地元に駐在している方から理由を聞くことができた。

曰く、「本物であることを証明するため」。

つまり、いるというのである。違う肉で作ってだまくらかす店が。

何らかの加工品の材料をごまかすのならわかるが(いや、わかりたくないが)、素材そのままを調理して出す店でそんなごまかしができるのだろうか。

冗談で言ったのかもしれない。にわかには信じがたいが、一方でなぜか納得している自分がいるのである。


2022/09/08

マイ・サイ・パク・チー

(※本記事は2012年4月15日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです)


短期間ではあるが、仕事でタイにいたことがある。

残念ながら、観光はまったくできず。というのも、到着翌日から帰国当日まで、朝5時半起床、深夜1時就寝の毎日で、そんなことをしている暇などなかった。

自動車の車窓から見えた朝日
車窓から望む、タイの日の出

だから、タイを実感できたのは、食事と、出張先のタイ人スタッフとの交流においてのみだった。

さて、私は「パクチー」が苦手である。

パクチーは、中国語では「香菜(しぁんつぁい)」、英語では「コリアンダー(coriander)」と呼ばれる香草であり、タイ料理においては「これがなければ成り立たない」くらい定番の、風味にちょっとクセのある食材である。日本で言えば、わさび、ゆず、みつばとか、そんな類のもの。だから、パクチーはいろいろな形で料理に加えられている。ある時は隠し味として、ある時は具として。具なら「つまんでポイ」で済むのだが、ソースなどに刻んで入れられていると、なす術がない。

そんなわけで、私は観念してすべて受け入れることにした。郷に入っては郷に従え、と言うではないか。

でも、それを頑なに拒んだ方もいた。

よっぽど嫌いなのだろうか、ソースに刻んで入れられたパクチーを、すべて「つまんでポイ」していた。その行為が無意味であることもわかっていた。ここまで刻まれていれば、その風味はしっかりとソースにしみこんでしまっているのだから。

そんな彼に、私はとっておきのタイ語を教えてあげた。それが、「マイ・サイ・パク・チー(mai sai pak chi/ไม่ใส่ผักชี)」である。

「マイ・サイ(mai sai)」は、英語に置き換えると "not add" とか "not put" になる。つまり「入れるな」である。レストランなどでも使える便利なフレーズである。

それ以来、彼は仕事中、口癖のように「マイ・サイ・パク・チー」を言うようになったが、これが意外と現地スタッフに受けていた。日本だったら、「わさび入れるな」とか「みつば入れるな」とか言いながら仕事をする外国人がいるようなものか。確かに滑稽だが、自国を象徴する食材を面と向かって拒まれながらも、それを笑顔で包んでくれるタイ人に、ちょっと申し訳なさも感じたのである。


トマトジュースはどこだ?

(※本記事は2012年2月26日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです)


シンガポール滞在中の話。

トマトジュースが飲みたいと思い、近くのコンビニへ行ったのだ。

しかし、水や清涼飲料水、ビールはそろっているのに、ジュースはほとんど置いてなかった。

で、意を決して、歩いて15分ほどのところにある「コールドストレージ」(Cold Storage)まで出向いて探したのだが、リンゴなどの果物はボトルや箱パックなどに入ったものが大量にあるのに、トマトはなかったのである。

ひょっとして、シンガポールにはトマトジュースがないのでは。後日、職場のシンガポール人にこのことを話すと、怪訝な表情をされた上、こう言われた。

「トマトを食べればいいんじゃないんですか?」

ごもっとも。そのとおり。いやしかし、私はトマトジュースが飲みたいのだ。リンゴがあるんだから、トマトがない道理はないだろうと言ったのだが、

「生で手軽に食べられるトマトを、コストをかけてわざわざジュースにする意味が分からない」

と言われてしまった。さらに、

「近くのスーパーで小さいトマト(=プチトマト)が安く売られているから、それを買って食べたらどうでしょう」

とまで言われた。

結局、シンガポールにはトマトジュースはないという結論に至り、2~3日に一度、同所のコールドストレージでプチトマトを1パック購入することになった。

ちなみにこのプチトマト、「ハニー・チェリー・トマト」という品種のもので、200gで2.2ドル(当時のレートで150円くらい)で売られていた。


ランドリー

(※本記事は2012年2月15日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです)


シンガポール滞在中は、自分で洗濯をしていた。といっても、ホテルの洗濯室にあるコインランドリーに放り込んで、1ドル硬貨を投入し、ふたを閉めてボタンを押し、40分待つだけのこと。造作ない。

ホテルのランドリールーム
ホテルのランドリールーム

ある日、1ドル硬貨がなかったので、フロントで両替をしてもらった。

「コインランドリーを使いたいから、両替してほしい」

と、10ドル紙幣を差し出したが、担当の係員は理解できない様子。

「なんですって?」

「だから、2階のコインランドリーを使いたいんだ」

「何を使うんですか?」

こんな調子。指で上を指して、何度も「コインランドリーを」と言ったら、なんとかわかってもらえたらしく、1ドル硬貨に両替してくれた。

後日、この話を同じ職場の日本人にしたら、

「ああ、ランドリーではなくて、『ローンドリー』って言わないと通じませんよ」

と言われ、慌てて辞書で確認。道理でわかってもらえなかったわけだ。

こういった過ちは結構あり、たとえば居酒屋でビールを1杯注文しようと「ジョッキ」と言ったら、ピッチャーで来ちゃったりした。この場合、「マグ」と言わないといけない。ジョッキと言うと「ジャグ」と聞こえてしまうようで、とんでもない大きさの入れ物にビールをなみなみと注いで持ってくるので注意。

今思えば、素直に「ウォッシングマシーン」とか言っておけばよかったのだろう。


ドクター・ゴー

(※本記事は2012年2月7日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです)


古い話で申し訳ないが、2010年5月14日に、シンガポールの第2代副首相が亡くなった。

奇しくも私はその日、シンガポールにいた。いたのだが、全く知らなかった。滞在を始めて1週間目。英語しか話せない過酷な職場。新聞を見る余裕さえない毎日。その新聞だって英語だ。

それから1週間後の23日、私はボート・キー(Boat Quay)の対岸、あのスタンフォード・ラッフル氏の像が立っているあたりを散策していた。とても暑い日で、その白い像がとてもまぶしかった。

スタンフォードラッフル像
スタンフォード・ラッフルの像

そこからシンガポール川を上流に向かって歩くと、右手に議事堂が見えてくるのだが、そこになにやら黒山の人だかりが。

はじめは通り過ぎようと思ったのだが、テレビカメラもスタンバイしており、何かが始まる気配だったので、ちょっと待ってみた。時刻は14時30分ごろ。

その人だかりはどんどん大きくなり、気付くと、歩道を通り抜けることさえできないほどになっていた。

待ち始めてから20分ほどが過ぎたころ、西側にある大通り、ノース・ブリッジ・ロード(North Bridge Rd.)の南北両側の交差点に、警官が赤いパイロンを並べだし、道は完全に閉鎖された。

「何が始まるんです?」

観光客らしき女性が私に尋ねてきたが、私も知らないので、「さあ、なんでしょうね」としか答えられなかった。

議事堂前で見守る人々
議事堂前で見守る人たち

そして、15時ちょうど。

奥から、海軍を思わせるような白い軍服を着た軍人を、6人ほど乗せた軍用車が、ゆっくりと出てきた。シンガポールの国旗をまとった棺をひきながら。紺色の軍服を着た軍人たちが両側に並び、敬礼。とても物々しい雰囲気だった。

その車はノース・ブリッジ・ロードに出ると、人々やマスコミが見守る中、ゆっくりと右へ曲がり、先の閉鎖された交差点を右へ、パーリアメント・プレイス(Parliament Pl.)へと入っていった。

このときやっと、誰かはわからないが、偉い人が亡くなったのだと気付いた。改めて議事堂を見ると、国旗はすべて半旗になっていた。

誰かを知ったのは、翌朝。ホテルの1階で朝食を食べているときに手に取った朝刊だった。

地元のストレイツ・タイムズ(Straits Times)は、紙面のほぼすべてを割き、シンガポールで5人目となる「国葬」のもよう(私があの日見たのは、国葬そのものではなかった)と、亡くなったドクター・ゴー(呉慶瑞: Goh Keng Swee)の功績を讃える記事を載せた。かなりすごい人だったようだ。日本では、元首相が亡くなったからといって、紙面がこんな状態にはならないだろう。

しかし不思議なことに、職場ではこのことに触れるシンガポール人は皆無だった。こっちから振るのもなんなので、私も触れなかった。というか、英語で政治の話なんて無理だ。

議事堂からボート・キーの高層ビルを望む。現在はさらに多くのビルが立ち並んでいる。


CQYD

(※本記事は2011年8月8日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです)


シンガポール滞在中、「コールドストレージ」(Cold Storage)というスーパーマーケットにお世話になった。

生鮮食品から雑貨まで、いろいろなものが揃ってしまうすごいスーパーである。といっても、商品のバリエーションでいえばフランス資本の超大型スーパーマーケット「カルフール」(Carrefour)には遠く及ばないのだが、コンビニのような手軽さと便利さがあり、よく利用させてもらった。詳細については「Google先生」に譲るとしよう。

この「コールドストレージ」は、小さいながらも日本製の食品が充実しているのもポイント。シンガポールだから、というのもあるけれど、納豆まで取り扱っているのには脱帽である。

特に日本食に飢えていたわけではなかった。正直、シンガポール滞在中に日本食を恋しく思うことはなかった。もちろん、「禁断症状」を訴えた同行者による半強制的な「日本食ディナー縛り」が効いていたことは否定できない。

それでも、仕事が遅くなり、一人で外食するのも億劫な気分になった時には、「コールドストレージ」で寿司を買うことも多かった。そう、寿司が売られている。日本のスーパーの惣菜売り場と同じである。透明なプラスチックの容器に、サーモンの握りやら裏巻き(海苔を内側にした巻き寿司)やらが詰められて売られているのである。値段は10シンガポールドル(700円くらい)と、フードコートよりも高めで量も少なめだが、これも日本と同じく、遅い時間に行くと割引の値札が貼られているので、6ドル(400円)くらいで買えた。

そんな「コールドストレージ」で、日本の食品会社が現地で作った、現地人向けのカップ麺を見つけた。

シンガポールで購入した出前一丁
あ~らよ

あまりにも有名なメーカーである。日本製の輸入ではないので、比較的安い(1~2ドル:100円くらい)。

味もまあまあである。日本人向けではないので、「うまい」とまでは言い切れないが、たまに食べる分には問題ない程度。観光目的で2~3日滞在する人には、まったく無縁の食品である。

ところで、これを見つけたときから気になっていたのが、パッケージに印刷されている "CQYD" の文字列。最初は、バーベキューを "BBQ" と表記するように、インスタント麺をそう表記するのかと思っていたのだが、後で調べてみたら、これはこの商品名の中国語読み「ちゅう・ちぇん・いー・じぃん」(Chu-Qian-Yi-Ding)の頭文字であることが判明。そういえば、ここはシンガポールだった。

夢のマイホーム(中国編)

(※本記事は2011年5月8日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです)


これは、成都滞在中に現地の人から聞いた話。

中国人男性が結婚する際、まず最初に起こす行動が、マイホーム探し。

マイホームを持つこと、それは中国では生活の安定を意味するとか。いわば、結婚の第一条件である。もちろん、十分な収入があることを裏付けるものでもある。

しかし、現実は厳しい。

中国では20代で結婚する人が圧倒的に多いが、20代の収入で家を持つのは困難である。だから、最近では両親にスポンサーになってもらう人も増えているらしいが、それでも限界はある。

それが理由かどうかはわからないが、20代の転職率は異常なほど高いし、余暇を犠牲にしてまで働く若者が急増している。豊かな暮らしを求め、より給料の高い都心部に出てきた若者が、気付けば出世争いに巻き込まれて疲弊している、そんな現象が「社会問題」として新聞で取り上げられるほどだ。どこかで聞いた話である。

しかし、無理して持たなくても、借りればいいじゃないか。

ガードマン付きアパート(成都市)
成都市にあるガードマン付きの集合住宅(一例)

私が滞在していたアパートは、月額平均3,500元である。日本円で4万円余りだが、為替レートで換算しても安すぎて話にならないので、私が通常使っている換算レート「1元=50円」で計算してみると、17万5千円となる。これは高い。日本では、家賃は月給の3分の1が目安と言われているが、これをそのまま当てはめると、月給50万円ないと暮らしていけないことになる…と、これはちょっと極端だが、厳しさは分かっていただけるだろう。

では、賃貸さえ叶わないのかというと、そうでもない。「ルームシェアリング」という方法がある。

学生や未婚の人の間ではポピュラーなこの「ルームシェアリング」は、2~4人くらいで1つの物件を借りて暮らすというもの。先のアパートなら、1人あたり1,000元くらいになる。これならなんとか手が届く。特に、中国では共働きが普通なので、経済的には問題なさそうだ。

しかし、個室があるとはいうものの、夫婦どうしでルームシェアリングするのはちょっと辛い。最近このパターンも増えていると地元の新聞でも伝えていたが、新婚夫婦が他の夫婦と暮らすというのは、あまりにも酷な話である。

そんなわけで、若年離婚率も高い。甲斐性のない男を捨てて、女が出て行くのである。嗚呼。

水をくれ

 (※本記事は2011年7月21日に執筆したものに加筆、訂正を行ったものです)


この日、「リトル・インディア」(Little India)をぶらついていた私は、なぜか「ビシャン・パーク」(Bishan Park)へ行こうと思い立ち、MRTに乗って「アン・モ・キオ」(Ang Mo Kio)というちょっと変わった名前の街へ行った。

アン・モ・キオ・グローブの入り口に鎮座するマーライオン
アン・モ・キオ・グローブの入り口に鎮座するマーライオン

この公園は、カラン川の上流にある。河口近くにあるのが、先の「カラン・リバーサイド・パーク」である。カラン川は、シンガポールの中央にある貯水池を水源とする、シンガポールで一番長い川である。

駅から南へ10分ほど歩くと、ビシャン・パークに到着。ここから水源に向かって西へ歩いた。

公園の案内板
かつてアン・モ・キオ・アベニュー6にあった、公園までの案内


ビシャン・アン・モ・キオ・パーク
ビシャン・アン・モ・キオ・パーク

日本の公園とは違い、ヤシの木などが目立つ。それにも増して目立つのが、ムクドリである。シンガポールに滞在して強く感じたことの一つに、このムクドリの多さがある。公園あるところにムクドリあり、といった感じで、ビシャン・パークもあのやかましい鳴き声でにぎわっていた。おまけに、近づいても逃げない。シンガプーラ(猫)といい、なんでシンガポールの野生は逃げないんだ。

公園の中ほどへ入ると、なぜか白いブリキの壁が行く手を遮っていた。東西にずっと伸びるその壁と並行するように西へ歩いて行くと、その理由の書かれた看板に出会った。

白いブリキの壁に掲示された案内
ただいま造成中

「躍動的で美しい清流計画」(直訳)と書かれたその看板。国家プロジェクトの一環として、川岸に遊歩道を造成しているらしかった。

そういえば、シンガポールは水資源に乏しい国だ。隣国マレーシアの「ジョホール・バル」から引き込んでいる上水が、国民の生活を支えている。両国をつなぐ「コーズウェイ」という橋の横を並走する上水道管が失われると、シンガポールは干上がってしまうのである。ヨーロッパでいうガス管と同じである。そのため、最近は「ニューウォーター」(NEWater) - 下水から不純物や雑菌を取り除いて作られる飲料水 - を精製するプラントを次々と建設し、国内自給率の向上を目指すという国家プロジェクトも遂行中である。

なんの話だっけ。

その先を歩いて行くと、ヤシの木で囲まれた、ハスだらけの池に出た。

ヤシに囲まれた蓮池
ヤシに囲まれた蓮池

見慣れない景色に、しばらくの間見とれてしまった。何か惹きつけるものがあるこの池。ほとりの東屋(あずまや)にも地元の人が屯(たむろ)していた。

そろそろ喉が渇いてきたな、と思い、周りを見渡したが、何もない。ここは日本ではない。公園の中に都合よく自動販売機があるはずもなく、売店を探すことに決めた。

しかし、歩けども歩けども、売店はない。ここは自然保護区にほど近い公園である。住宅地はあるが、売店は見つからなかった。

身の危険を感じた。そう、熱中症。

水を手に入れるためには歩かなくてはならないが、なんとなく足元がおぼつかない。危ない。

日陰を選びながら公園の反対側へ渡り、住宅街へ。すると、その高層住宅の一階に売店が。

値段も確認せず、冷蔵庫で冷やされたペットボトル入りの水を手にし、売店のおばさんに「これ」と差し出した。

本当に、水は大事なのである。

不名誉な事実

(※本記事は2011年6月5日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです)


ある女性が、シンガポールへ旅行に行った。

目的は、「シンガポールと言えば?」と訊いたら9割以上の日本人が答えると信じて疑わない、あの「マーライオン」を見ることだった。

一度でもシンガポールへ行ったことのある人なら、ここまで読んで思わずニヤリとしてしまうだろうか。同じ目的で訪れた人ならなおさらだろう。

実はこのマーライオン、「世界三大がっかり」という不名誉な扱い方をされているのだ。

遠方に建設中のマリーナ・ベイ・サンズを望む後ろ姿のマーライオン
マーライオンの後ろ姿~建設中のマリーナ・ベイ・サンズを望む

もちろん、マーライオン自身に非はない。シンガポールの歴史やその国名の原義を知れば、その存在意義がわかるはずだ。問題なのは、行く前に過度な期待をしてしまうところにある。見る前と後のギャップが激しすぎる。地元の方にどんな思い入れがあろうと、どんな歴史的背景があろうと、よそ者の我々からすれば公園にあるユニークな形をした噴水なのだ。

だから、マーライオンを見る目的でシンガポールを訪れて、「いやー、マーライオン、よかったよ」と答える人は少数派だ。その女性も、納得できない様子で帰ってきた。

ガイドブックがいけないんだ、という人もいる。日本の観光ガイドブックを見ると、あのマーライオンの雄姿を大写しした写真がページを占領している。他にも良いスポットがたくさんあるというのに、それらを押しのけて「これですよ、これ」と見るものの目を奪う。「ああ、そうなんだ、きっとすばらしいんだろうな」と勝手な幻想を抱く。期待しない方がおかしい。

私は、出張で滞在した際に、地元のガイドブックと地図を購入した。そのガイドブックは300ページ近いもので、地元民や外国人滞在者もターゲットにしている。件(くだん)のマーライオンを探すと、中ほどのページにひっそり掲載されている。ただし、日本のガイドブックのような「ライオンの頭に魚の胴体」程度の薄っぺらな解説ではなく、きちんと歴史や由来に関して詳細に記述している。これを読んで、「きっとすばらしいんだろうな」などという過度な期待は決してしない。

出張先の地元民もある意味、冷静だった。「今度の週末、いいところに連れて行ってあげるから」と誘われた先は、日本のガイドブックには載っていない場所、地元民向けの観光地だった。「土曜日は割引してくれるんで」…そんな理由で乗りなれない地下鉄やシャトルバスを乗り継いで来る観光客はいまい。もちろん、シンガポールの目抜き通り「オーチャード・ロード」は外せないのか、真っ先に連れて行ってくれたが。

オーチャード・ロード
オーチャード・ロード

で、帰国の前日、勤務中に彼らの一人がちょっと遠慮がちに尋ねてきた。

「ところで、あの…マーライオンは見ました?」

見てなかったので、あわてて見に行った私。そうそう、シンガポールに来たんだから、あのマーライオンを見ないとね。

…あれ?

ぬるいビール

(※本記事は2011年6月7日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです)


中国には水などを冷たくして飲む習慣があまりない。

だから、ちょっと気を緩めると、とんでもない飲み物を飲まされることになる。

たとえば昼食時。飲み物を一緒にとコーラも注文したところ、常温の缶コーラとストローがやってきた。缶を開け、ストローを差し込み、中身を吸い上げると、口の中に何とも言えない生暖かい風が吹き、同時に炭酸が一気に泡となって消えた。

たとえば夕食時。何だか物足りなかったのでビールを注文したところ、常温の瓶ビールとグラスが…。

まあ、こんな感じ。

注文するときに聞いてくる店員もいるので、その時に「冰的(冷えたものを)」と言えば、まあキンキンではないにしても、そこそこ冷えたのを持ってきてくれるのだが、日本ではわざわざ「冷えたのがいいですか?」などと答えのわかりきった質問をしてくるイカれた店員はいないので、実物が来たときに大変残念な思いをする。

一方、日本料理店では聞いてこない。日系のチェーン店も同様。氷の入った烏龍茶や冷えたビールが普通に出てくる。

ある日系チェーン店で注文したアイスティー
ある日系チェーン店で注文したアイスティー

このギャップを楽しむ余裕は、私にはまだ無いようだ。

どうかしてる?

(※本記事は2011年6月16日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです)


シンガポールには、緑がたくさんある。いや、緑の中に都市がある、と言った方が正確だろうか。それくらい、緑が豊富な国である。

だから、公園の数も多い。

シンガポールに来て2週間ほどが過ぎたある晴れた土曜日、私はそのうちの1つ、カラン・リバーサイド・パーク(Kallang Riverside Park)へ行こうと思い立った。滞在していたホテルから3km近いところで、MRTを使えば徒歩を含めても15分くらい、バスなら10分程度で着く場所だった。

私はそこへ、歩いて行った。公園まで1時間、公園を一周するのに1時間、帰ってくるのにまた1時間。

そこは、地元のガイドブックに書いてあるとおりの公園だった。ピクニックをする人、ジョギングをする人、サイクリングをする人、カヌーをしている団体、それを見物している人。日本だったら間違いなくバーベキューをする人でごった返しそうな、そんな美しい川沿いの公園。

カラン・リバーサイド・パーク
カラン・リバーサイド・パーク

ぶらぶらと歩き回り、珍しい南国の花を写真に収めながら、こんな休日の過ごし方もいいかな、と思った。

月曜日、職場でその話をしたら、現地人が一言。

「Crazy.(どうかしてる)」

公園に行ったことにではなく、公園まで歩いて行ったことに対して。なんでバスを使わないんだ、と。

そりゃあ、公園に行くのが目的なら、電車やバスを使うのが普通。でも、私は外国人だ。道中の風景を楽しむのだって目的の一つ。拡声器でアザーン(礼拝への呼びかけ)を流すサルタン・モスク(Sultan Mosque/Masjid Sultan)、まるで巨大な遊牧民のテントのようなビクトリア通りの市場、見るものはたくさんあった。

しかし、別の部屋でも、他の現地人が追い打ちをかけてきた。

「そういえば、この前の土曜日にビクトリア通りを歩いてるのを見かけたんですが、あんなところで何してたんです?」

ああ、どうかしてたよ。

1元で何が買える(た)か

(※本記事は2011年7月6日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです)

よく、外貨の価値を説明するために、「日本円で約1万円」などと為替レートで換算した額を添える場合がある。しかし、必ずしも為替レートが現地の物価を的確に示しているとは限らない。

以前、中国では1元で500mlの水が買えると書いたが、日本円にすると約13円となり、あまりにも安すぎる。これが、1リットルのリンゴジュースとなると15元、日本円で200円弱となる。それでも「安いね」と思われるかもしれないが、500mlのペットボトル入りのミネラルウォーターが15本も買えてしまうわけだから、単純に日本の場合に置き換えると、2,000円近くもすることになる。あまりにも高すぎる。

中国で流通している貨幣を並べた写真
中国で流通している貨幣

じゃあ、1元を何円と考えれば妥当なのか。

成都のサラリーマンが昼食に払える額は、高くても20元らしい。リーズナブルなのは、15元くらいまで。韓国料理店の石焼ビビンバが12元くらい。とすると、1元=50円が妥当なところか。為替レートの4倍くらいだ。ちなみに、中国の大卒初任給が平均2,000元くらいというから、人件費が安いことを考えればいいセンなのではないか。

では、このレートを使って私が実際に購入した商品の値段を見ていこう。

  • カフェテリア方式のチェーン店のご飯は、茶碗1杯で0.5元(25円)。ただし、お替りは自由。
  • 1.5リットルのミネラルウォーターは、2元くらい(100円)。
  • 竹製の爪楊枝は、3元(150円)。
  • タバコは、20本入りで約5元(250円)。
  • ビールは、500ml入りで4~6元(200~300円)。
  • カップ麺も、4~6元(200~300円)。
  • 子供用の安全鋏は、約6元(300円)。
  • レンジでチンするポップコーンは、約7元(350円)。
  • 料理店の中国式焼きそば(炒面)は、1皿で8元(400円)。
  • 洗剤は、約700g入りの粉末で10元(500円)。
  • ネッスルのインスタントコーヒーは、50g入りで約20元(1,000円)。
  • ティッシュペーパーは、400枚入り×3個で約20元(1,000円)。
  • 男性用の下着は、1枚25~40元(1,250~2,000円)。
  • 男性用のビニール製草履は、約30元(1,500円)。
  • あの「和幸」のとんかつ定食は、ヒレとロースのミックスで62元(3,100円)。
  • そして、西洋式のサーロインステーキは、最低でも100元(5,000円)。

本来の為替レートなら、この4分の1だ。

ちなみに、カゴメのトマトジュース(900ml入り)は、20元(1,000円)だった。輸入品は、概して為替レートで換算した額(260円)のほうがわかりやすいが、現地人にとっては高いことがよくわかる。レクサスなんて、100万元(5,000万円?!)とかだからね。

2022/09/05

水餃子

久しぶりに、水餃子を作った。

焼餃子の次の日は、余った餃子を使って水餃子を作るのだが、今回は余らなかったので、冷凍餃子(電子レンジ調理をしないタイプのもの)を買ってきて調理。

うちは、おかわりしたり、翌日うどんを入れて食べたりするのでこの量。家族構成や腹具合に合わせて調整してほしい。ちなみに、鍋のサイズは最初に入れる水の倍量になるようにすること。でないと、具材を入れていくうちにあふれ出してしまう。

■材料(10人前)

◆具材

  • 人参:1本
  • 玉ねぎ:1個
  • 水菜:1束
  • 白ねぎ:1本
  • 小ねぎ:6本
  • 肉団子(冷凍):20個
  • 餃子(冷凍):30個
  • その他、白菜、ニラ、春雨などの好みの具材

◆調味料

  • 粉末だし:小さじ1
  • 塩:大さじ1
  • 粉末鶏がらスープ:大さじ2
  • 粉末コンソメスープ:大さじ1
  • 醤油:小さじ2
  • ごま油:おたま1くらい

■作り方

  1. 6リットルくらいの大鍋に、水を半分より多めに(3リットル強)入れる。蓋をして煮込む場合は、半分でよい。
  2. 粉末だしを鍋に入れる。
  3. 人参を厚さ3~5ミリくらいのいちょう切りにし、鍋に入れる。
  4. 玉ねぎを4つくらいに輪切りにし、それをケーキを切り分ける要領で10~12等分くらいにし、鍋に入れる。
  5. 肉団子を鍋に入れる。
  6. 鍋を中火にかける。
  7. 煮立ってきたら、弱火にし、塩を入れる。
  8. 水菜を5センチくらいに切り、鍋に入れる。
  9. 白ねぎをみじん切りにし、鍋に入れる。
  10. 粉末鶏がらスープ、粉末コンソメスープ、醤油を鍋に入れ、10分ほど(玉ねぎが透き通るくらいまで)煮る。アクは適宜取る。
  11. 中火にし、餃子と、小口切りした小ねぎを入れる。
  12. 餃子が浮かび、耳に透明感が出てきたら、ごま油を入れ、火を止める。

自宅で作った水餃子


2022/09/02

日本平動物園へ行った

コロナ禍での旅行は、本当に頭が痛い。

子供の夏休みの思い出に、いろいろと連れて行ってやりたいのだが、今の状況ではなかなか難しい。それでも、盆明けの平日ならリスクも少なかろうと、行先をいくつかピックアップ。

その中から最初に選んだのは、比較的近くにあるロープウェイ。山頂まで行って涼んでこようかと思ったのだが、現地は当日、雨の予報。

ならば、多少遠くてもいいから楽しめそうなところへ、と選んだのが、静岡市立日本平動物園。例のレッサーパンダで有名な動物園だ。

先に書いた通り、盆明けの平日だったので、駐車場は並ばず入れ、来客もまばらで、ゆっくりと回れた。

最初に、目の前に構える「レッサーパンダ飼育棟」へ行ったのだが、肝心の主役があまり顔を出さず、いい写真は撮れなかった。まあ、公式サイトに行けばいくらでもいい写真があるから、そっちを見てほしい。

木で作られた道を降りていくレッサーパンダ

そこから、サル、ゾウ、キリン…最後はペンギン館と、ぐるーっと右回り。

座るライオン(オス)

「猛獣館299(にっ・きゅっ・きゅう~)」で目を奪われたのが、こちらのライオン君。百獣の王の貫禄と言おうか。

陸棲の猛獣たちは暑さのせいか「ごろ寝」の状態。一方、水棲の猛獣たちは水槽で生き生きと泳ぎ回っていた。

フライングドームの中

その裏には「フライングドーム」という、野鳥が飛び回れるほどの大きさのゲージがある。鳥たちが自由に飛び回ったり泳いだりしており、面白い。なぜかサル(ジェフロイクモザル)もいた。天王寺動物園の「鳥の楽園」を思い出させたが、それよりもはるかに大きい。もう一つ思い出させたのが、伊豆シャボテン動物公園。こちらは動物と人との間に柵がない、というか、普通に園内を闊歩してらっしゃるので、比較にならないか。以前行ったときは、通路をフラミンゴに通せんぼされ、大変困った。

伊豆シャボテン動物公園のフラミンゴが道をふさぐ
※これは「伊豆シャボテン動物公園」のフラミンゴたち

サイやオオアリクイの前を通り、ずっと回ってくると、動物園の南、遊園地の前に「オートチェア」という聞きなれない名前の乗り物があった。3人掛けリフトの椅子の部分を、ずらりとつないだような乗り物で、これで「展望広場」まで登った。今気づいたが、この乗り場、船みたいな形をしているな。

オートチェアから山頂から動物園を望む

この広場から、静岡市と駿河湾が一望できた。また、ここにある「不思議な森の城」に登れば、動物園全体と、富士山までも一望できた。とはいえ、この日は北側が曇っていたので、山影が確認できる程度だったが。

帰りはローラースライダーで下りてくることもできるようだったが、子供が乗り気でなかったので、行きと同じくオートチェアを利用。

プールの小島でたたずむペンギン

最後はショップ「動物たちの森」でお土産を購入。子供は、さんざん悩んだ末に、ハリネズミのぬいぐるみを選択。

そして、帰りはお約束、「炭焼きレストランさわやか」でちょっと遅めの昼食。静岡県内にしかないので、車で訪れたら必ずと言っていいほど立ち寄るのだが、いつも2時間待ちの超満員で、諦めて帰ることしばしば。しかし、何度も繰り返して恐縮だが、この日は平日の昼間だったので、比較的早く入れた。

子供は、ハンバーグではなく「お子様カレー」を選んだのだが、いつも嫌いなものは残すのに、珍しく完食。そんなにおいしかったのか?

熱も出せない

妻が発熱した。

といっても夕方、37度5分くらいの熱で、1時間ほどで36度台に下がった。しかし、ちょっとだるいので、念のため翌日病院へ行くことに。

そんな軽い気持ちだったのだが、想像以上に大変だった。

普通の外来では受診できないだろうとは思っていたので、発熱外来のある病院へ電話をしてみたのだが、どこも話し中でつながらない。仕方がないので、とりあえず最寄りの病院へ行き、入口で検温している関係者に事情を話してみた。するとやはり、発熱外来の予約をして、そちらへ掛かってほしいと言われ、先ほどから架け続けている電話番号を告げられた。結局、本日分の予約はもういっぱいなので、明日、受付開始時間になったら改めて電話してくれ、とのことだった。他の病院も同じ。たとえ、今現在、発熱がなかろうと、掛かるならまず発熱外来へと言われた。その予約もいっぱいだった。

医療ひっ迫、その現実を知った。

仕方がないので、一旦自宅へ戻ることに。

その後、運よく、ある病院と連絡がつき、明日であれば受診できると告げられた。迷わず予約。この病院は、妻が古くからお世話になっているところで、自宅から40分くらいの場所にある。どこであろうと、受診できるのならありがたい。ぜひお願いします。

いや、本当にありがたい、そう思った。

翌日の夕方、その病院へ。検査を受け、陰性との診断結果に安堵し、帰路に着いた。

へたに熱も出せない。ましてや、急病、大きな怪我や事故なんかに遭ったりしたら、大変なことになる。そう実感した数日だった。

そして、こんな状況下、感染の危険に身を晒しながら日夜働いている医療従事者の方々には、本当に頭が下がる。

ロール・プレイング

 (※本記事は2012年1月11日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです) 最近、よく夢に騙される。 夢、といっても、ここでいうのは寝ているときに見るやつの方だ。 私は社会人なので、高校へ通う必要はない。しかし、なぜか高校へ向かおうとする自分がいる。 これが夢でなければ、す...