(※本記事は2011年9月4日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです)
私は昼食をとるため、別のプロジェクトに参画している人と一緒に、会社の近くにできたパン屋に入った。
そこは、他のパン屋と同様、トレイに好みの商品を取り、レジで会計を済ませるというシステムだ。当然、店内で食べる(イートイン)もよし、持ち帰る(テイクアウト)もよし。違っていたのは、そのレジが「イートイン」と「テイクアウト」とで分けられていたこと。
その日、なぜかテイクアウト用のレジには客が一人もおらず、イートイン用のレジに長い列ができていた。
彼は、自分の食べたいパンをトングでつかみ、トレイに取ると、何のためらいもなくテイクアウト用のレジに向かった。
「お持ち帰りですね」
にこやかな表情でマニュアル通りに対応する彼女に、しかし彼はこう言ったのである。
「いえ、ここで食べます」
この後、何が起こったのか、そんなことをつぶさに書くつもりもなければ、これについて議論するつもりもない。ただ、結果だけを書かせてもらえば、彼女の対応に怒った彼が、商品を載せたトレイをレジに置いて帰ってしまった。
そしてその1ヶ月後、この店は閉店した。
このことから、何か教訓めいたことを見出そうとするならば、それは間違いだ。
なぜなら、店員はマニュアル通りに対応しただけだし、客である彼はその対応について抱いた不満を素直にぶつけただけのことだから。
はて、結局、彼はこの日の昼、何を食べたんだっけ。
0 件のコメント:
コメントを投稿