2022/09/12

発音を書く

(※本記事は2012年7月11日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです)


外国語の発音を表記するときに、ひらがなやカタカナを使う場合が多いが、これで正しく伝えることは難しい。

外語辞書などは、発音記号に添えてカタカナの読みが書かれている場合がある。あれは、巻末などに発音表記に関する解説があるのでまだいい。例えばフランス語の辞書で merci(ありがとう)に「メルスィ」という読み方が書かれていても、その表記どおりに発音してはいけないことは、その解説を読めばわかる。『便宜的に「ル」って書くけど、実際の発音は日本語の「る」や英語の "r" とは全く違うよ』という取り決めがあるのだ。

こういった取り決めがない状態でうかつに読みを書くと、大抵間違って伝わる。

私も、中国語の読みをひらがなで書いたりしているが、実際は表記どおりに発音していない。

例えば、「何」の読みは「ほぁ」と書いているが、表記どおりに、カンフー映画よろしく「ほぁ」などとは発音しない。実際は「へ」+「あ」+「う」みたいな音に聞こえる。

タイへ行ったときもそうだった。

飛行機の中でタイ語の勉強をしたのだが、そのときに使っていた教材、といっても、日本語が話せるタイ人が作ったホームページで見つけた会話集だったのだが、その教材にも英字綴りに添えてカタカナの読みが書かれていた。タイ人が書いたのだから間違いないだろうと思ったら、実際は違っていたのだ。

タイ語には、日本語の「~です」に相当する "krap"(※教材の表記のまま、以下同じ)という単語があり、これを文末につけると丁寧というか、敬意の含まれた表現になる。"kop khun krap"(ありがとうございます)のような感じだ。ちなみに、これは男の場合で、女は "kha" である。

この "krap" に、例の教材は「クラップ」という読みを併記していた。だから、てっきり「クラップ」と発音するんだと思っていたのだが、現地人から、

「ちがうちがう、それは『カップ』と発音するんだ」

と指摘されてしまった。

私も、今「カップ」と書いてしまったが、実際は「カップ」ですらない。そう聞こえるということ。ちょっと難しい発音だ。

一方で、こう発音すれば通じるよ、みたいなものもある。

有名なのは「斉藤寝具」だろうか。入国管理局で入国の目的を聞かれたときに言えば、"Sightseeing."(観光です)と伝わるらしい。

他にも、「わら」(water: 水)とか、「掘った芋いじっとんな」(What time is it now?: 今、何時ですか?)とか。一昔前に流行った「空耳」の世界だ。

しかし、上に挙げたような「何」とかは、日本語に相当する発音がないので表記が難しい。だから、このブログで書かれているひらがなやカタカナの読みは、そのまま使わないでほしい。たぶん、間違っているから。


0 件のコメント:

コメントを投稿

ロール・プレイング

 (※本記事は2012年1月11日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです) 最近、よく夢に騙される。 夢、といっても、ここでいうのは寝ているときに見るやつの方だ。 私は社会人なので、高校へ通う必要はない。しかし、なぜか高校へ向かおうとする自分がいる。 これが夢でなければ、す...