(※本記事は2012年7月11日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです)
外国語の発音を表記するときに、ひらがなやカタカナを使う場合が多いが、これで正しく伝えることは難しい。
外語辞書などは、発音記号に添えてカタカナの読みが書かれている場合がある。あれは、巻末などに発音表記に関する解説があるのでまだいい。例えばフランス語の辞書で merci(ありがとう)に「メルスィ」という読み方が書かれていても、その表記どおりに発音してはいけないことは、その解説を読めばわかる。『便宜的に「ル」って書くけど、実際の発音は日本語の「る」や英語の "r" とは全く違うよ』という取り決めがあるのだ。
こういった取り決めがない状態でうかつに読みを書くと、大抵間違って伝わる。
私も、中国語の読みをひらがなで書いたりしているが、実際は表記どおりに発音していない。
例えば、「何」の読みは「ほぁ」と書いているが、表記どおりに、カンフー映画よろしく「ほぁ」などとは発音しない。実際は「へ」+「あ」+「う」みたいな音に聞こえる。
タイへ行ったときもそうだった。
飛行機の中でタイ語の勉強をしたのだが、そのときに使っていた教材、といっても、日本語が話せるタイ人が作ったホームページで見つけた会話集だったのだが、その教材にも英字綴りに添えてカタカナの読みが書かれていた。タイ人が書いたのだから間違いないだろうと思ったら、実際は違っていたのだ。
タイ語には、日本語の「~です」に相当する "krap"(※教材の表記のまま、以下同じ)という単語があり、これを文末につけると丁寧というか、敬意の含まれた表現になる。"kop khun krap"(ありがとうございます)のような感じだ。ちなみに、これは男の場合で、女は "kha" である。
この "krap" に、例の教材は「クラップ」という読みを併記していた。だから、てっきり「クラップ」と発音するんだと思っていたのだが、現地人から、
「ちがうちがう、それは『カップ』と発音するんだ」
と指摘されてしまった。
私も、今「カップ」と書いてしまったが、実際は「カップ」ですらない。そう聞こえるということ。ちょっと難しい発音だ。
一方で、こう発音すれば通じるよ、みたいなものもある。
有名なのは「斉藤寝具」だろうか。入国管理局で入国の目的を聞かれたときに言えば、"Sightseeing."(観光です)と伝わるらしい。
他にも、「わら」(water: 水)とか、「掘った芋いじっとんな」(What time is it now?: 今、何時ですか?)とか。一昔前に流行った「空耳」の世界だ。
しかし、上に挙げたような「何」とかは、日本語に相当する発音がないので表記が難しい。だから、このブログで書かれているひらがなやカタカナの読みは、そのまま使わないでほしい。たぶん、間違っているから。
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