2022/09/09

グラッパ

(※本記事は2011年6月30日に執筆したものに、加筆、訂正を行ったものです)


前回もそうだったが、今回もこれを口にする機会(いや、むしろ羽目?)があった。

グラッパというのは、イタリア特産の食後酒である。なんだそれはという方が大半だと思われ、また、インターネットで検索すれば山ほど情報は手に入るのだろうが、あえてここで説明させていただく。

ワインを作るのに必要なのは、もちろん「ぶどう」である。今ではこれを機械で搾(しぼ)るのだろうが、昔はぶどうをいっぱい入れられた樽の中に女性が素足で入り、踏み潰して搾っていたらしい。そうやって搾り出されたぶどうジュースを醸造したのがワインだが、搾られた後の残りカス、皮、果肉、茎などを捨ててしまうのはもったいない。なら、これを醗酵させて酒を造ろうじゃないか、というノリだったかどうかは知らないが、そうやってできたのが、グラッパである。

中国で飲んだグラッパ(左)とワイン
中国で飲んだグラッパ(左)

このグラッパ、日本では手に入りにくく、また食前酒ほどポピュラーでもなく、イタリア料理店でもあまり見かけないためか、日本人に対する知名度は低い(と思う)。そんなグラッパに成都で出会えるとは「光栄の至り」であった。

グラッパ(日本で入手)
日本で入手したグラッパ

ワインほど複雑ではないが、ブランデーほどシンプルではない香りを持つ(と、私は感じる)その酒は、中国の「白酒(ばいじう、ばいちゅう)」に似ている。白酒は「フレーバー付き日本酒」と形容したい酒で - もちろん、豆とかいろいろな穀物が原料となっているので、日本酒とは全くの別物なのだが - グラッパとはいい勝負である。いずれも40度は下らない、無色透明の代物(褐色のものもある)。地元民にして「イタリアの白酒」と言わしめているのも宣(むべ)なるかな、である。

先に触れたとおり、これは食後酒である(本場では、エスプレッソに入れるなどするそうだが)。ショットグラスくらいの小さなグラスに注ぎ、シメにちょっと呷(あお)るくらいがよいのだろうが、なぜがこの時は、これを何杯も呷ったのである。

ただし、原料がぶどうだけだからだろうか、悪酔いすることはなく、水を一杯飲んで寝れば、翌朝にはすっかり抜けてしまった。


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